【準決勝第1試合】 【イタリア一ドイツ戦2一0(0一0、0一0;0一0、2一0)】 デルピエロ決定弾 ドイツ戦の無敗神話守る 土壇場で鮮やかな一発 グロッソ鋭く曲がる決勝点 若さと勢いだけでは足りず 開催国ドイツ、決勝逃す 積み残した思い晴らせず 決勝の舞台逃したバラック 伸ばした手、逃げるボール レーマン届かず ドイツ城壁決壊 119分一瞬のスキ許した連続弾 試合結果 ”天敵”というのか、”苦手相手”というのか、”相性が悪い”というのか、ドイツにとってイタリアはそういう相手だった。 日本には1994年のアメリカ大会出場を目指した時の”ドーハの悲劇”という有名な出来事があるが、この試合はおそらくドイツ人は、”ドルトムントの悲劇”と呼ぶ事だろう。 この試合のメキシコ人の主審は非常に素晴らしかった。両者に不必要なカードも与えず、反則も非常にフェアに取り、試合の流れを的確にコントロールしていた。 これに応じたのかどうかは分からないが、ドイツチームもこれまでのナチス・ドイツスタイルの”汚い”プレーは少なかった。ひょっとしたらこれがドイツには災いしたのかもしれない。 ドイツ、イタリアともに一撃必殺をお互いに潰しあうという出足であった。ドイツは中央やサイドからツートップに合わせる必勝パターン。一方、イタリアは相手ディフェンスの裏をつく必勝パターン。両者この必勝パターンを出させないようにプレスをかけて阻止しあっていたわけだ。 後半もこれを目指していたが、疲れが出て来て徐々にそれができないようになり、お互いに必勝パターンによるチャンスが出てくるようになった。そしてついに延長戦。 延長戦では、さすがに両者足が止まりかけてきて、動きも遅くなったが、徐々にイタリアの方がチャンスが出た。リッピ監督がイアキンタ、デルピエーロ、ジラルディーノの3人を投入してから形勢が優勢に変わった。元気な3人が前線でドイツディフェンスをかく乱しはじめた。 そしてついに、あと2分でPK戦突入か(そしてドイツはPK戦は無敗なのでドイツが勝か)とだれもが思った頃、ドイツディフェンダーの右サイドバックのフリードリッヒが”痛恨のミス”を犯した。恐らくサッカーをあまり知らない普通の人たちはこの悲劇がここで始まったとは見なさないだろう。 かつての日本の”ドーハの悲劇”の始まりはラモスだった。敵から奪ったボールをキープして最後の数分を過せば良かった時にいい加減なクリアをして敵にボールを渡し、それが切っ掛けとなって反撃を食らい、最後に武田が安易にコーナーキックに逃げたために、コーナーキックから最後のヘッドで失点し、引き分けた。そして得失点差で韓国に負けたのだった。 フリードリッヒのこのプレーは、その時のラモスのプレーに似ている。あと数分、それも2、3分を自陣でボールキープしておけば良いものを、安易に大きく蹴って敵のゴールキックにしてしまったのだ。そのため、キーパーが大きく蹴り、一気にイタリアがドイツ陣内に攻めて来た。苦しくなったドイツはコーナーに逃げ、そして、あの得点シーンにつながった。ピルロにリバウンドボールが渡り、右にいたグロッソにパス。グロッソがダイレクトでシュートしてゴール。 その最後の1分後には、最後の怒濤の攻めを仕掛けたドイツが中盤でカンナヴァーロにカットされて一気に”イタリア伝統のカウンターアタック”で止めの反撃を食らった。 これは、フランス大会の決勝戦のフランスとブラジルの戦いの3点目に似ている。この時も最後の反撃をしている時にカットされてカウンターアタックされて止めの3点目を喫した。 こんなわけで、延長戦にまでもつれたが、試合内容は終始イタリアペースでイタリアの快勝と言えるだろう。 それにしても、クリンスマン監督は、どうしてこれまでの先発を使わなかったのだろうか。暴力行為で出場停止のフリングスはともかくシュバインシュタイガーが先発させるべきだった。決勝の切り札として休ませたのだろうか。やはりフリングスの出場停止処分で平常心を失ったのだろう。議論の余地のあるところである。 いずれにせよ、”アルゼンチンとの死闘”が尾を引いた観ありの試合だった。
by Kazumoto_Iguchi
| 2006-07-05 21:57
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