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グループF:ブラジル、オーストラリアに完勝!

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【ブラジル-オーストラリア戦2-0】
16強入りにも爆発力なし、ロナウド不振のブラジル
中盤の圧力と体格生かす ブラジル苦しめた豪州
試合結果

いやー、ブラジルは強い。これが私の率直な感想。おそらく、私の受け取った印象は日本の記者たちのものとは正反対だろう。

ロナウドが”絶不調”なのは、太った体格からスピードのなさ、運動量のなさなどから誰にも明らか。実質的には、10人で戦っていたようなものだ。しかし、そこは”セレソン”の友情、これまでの貢献者のロナウドに最多得点記録更新を目指して一致協力しようという団結姿勢が見て取れた。それに応じるように、ロナウドも絶不調ながらそれなりの活躍を見せた。そういう感じのゲームであった。

そんな中でもロナウジーニョは、少しも無理せず、怪我をしないように、ゲームをコントロールしていた。言わば、”省エネ”戦法。けっして手を抜いているわけではないだろうが、回りの選手を引き立てる役に徹していたようだ。

私がいつも不思議に思うのは、ブラジルがボールを取ると、相手チームもブラジル化するというのか、動きのスピードがブラジルのように”ゆっくり”してしまうことだ。日本代表が比較的ブラジルに相性が良いのは、ブラジルのこの特徴がスピードのない日本に合っているからである。この試合のオーストラリアも日本戦の時のようなスピード感はなかった。

実は、ここにブラジルの強さの秘密がある。これが、”ブラジルの緩急の変化”という戦術である。ある時は歩いているくらいのスピードでパス回しして休み、そこそこ体力が回復すると裏へ速攻を狙う。オーストラリアも知らないうちにそのペースにはまり、いつの間にかやられてしまった。オーストラリアの速攻、パワープレーもスピードがあってこそだが、それを消されたらおしまいである。

確かに、一見オーストラリアにもチャンスがたくさんあったように見えるが、だいたいは、遠目から”打った”のではなく、”打たされた”のである。ブラジルの注文通りの試合にされてしまったのである。この意味では、ブラジルの”完勝”だった。特に、ロナウドが引っ込み、ロビーニョが出た頃から、”カルテット・マジコ”が復活。あっという間に攻勢に転じ、2点目をゲットした。

だから、もちろん、なぜ最初からロビーニョを使わないのか、という考えもあるだろう。しかし、この辺は、監督がちゃんと考えてのことだろうと私は想像している。つまり、あまりにブラジルが強いと思わせるとまずいので、ブラジルはそこそこの調子だとライバル国に思わせ油断させるためのものだろうということである。

次の日本戦では、メンバーを落として主力を休ませて来るだろう。しかし、若い補欠選手の方がずっとうまいというのが、ブラジルの層の厚さなのである。
by Kazumoto_Iguchi | 2006-06-19 15:12 | WC2006
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