「あの男の急所を切り取ってやりたい」ジダン母 イギリスのタブロイド紙というのも変わっていて、徹底的に”ユーロ大陸の仲違い”を演出しているようだ。よほどイングランドが準々決勝敗退したことが許せなかったらしく、相変わらず、ジダンとマテラッティの問題に固執しているようだ。 そもそも一番最初に、イタリア語の読唇術師を呼んでマテラッティが何と言ったかを調べさせたのもイギリス人だった。そこで出て来たのが、「売春婦の息子」、「テロリスト」、「テロリストの売春婦の息子」という悪態言葉だった。そして、大問題へと発展していった。 今回、イギリスの英大衆紙デイリー・ミラー紙が公表したのは、”ジダンの母”マリカさんの言葉。なんとこのお母さんもすごい。怒り心頭になって、「あの男の急所を切り取ってやりたい」と発言したという。1面には"I want that Italian's b★lls"と出たらしい。「あの子は私の名誉、家族の名誉を守っただけ。マテラッツィに対する嫌悪感だけが残る。彼が言ったことが本当なら、急所を切り取りたい」と。 しかし、この英語の日本語訳は、ちょっとおかしい。 これは、「あの男の急所を切り取ってやりたい」ではなく、「あの男の金★を切り取ってやりたい」であるべきだろう。急所にはポール(ペニス)とボール(睾丸)の2種類があるので正確に訳すべきだ。 やはり、”この母にしてこの子あり”。アルジェリア移民でフランスの貧民街で育ったジダンは、才能と狂暴性という2種類のジキルとハイド的な側面があったということになる。 まあ、私がここで何度か言って来たが、「自分の名誉、家族の名誉を守る」ためであるのなら何もピッチの上で”頭突き”という形で行うのではなく、試合後にしかるべき制裁を与えれば良いはずだ。ジダンはそれをしなかっただけのこと。 ”ピッチの上のことはピッチの上の話”であって、試合後と切り離すべきだと私は考える。もしピッチ上のことが後々問題になるというのであれば、選手は恐くて何もできなくならからだ。汚いファールをすればそれが後で問題となるのであれば、思いきったプレーはできなくなる。これでは、”戦争”にまで例えられるワールドカップサッカーの一番の醍醐味は失われるだろう。そしてサッカーはフットサルになる。フットサルになれば、フットサル大国のブラジルが断然有利となるだろう。 ところで、最初に出て来た悪態言葉の何が問題なのだろう。「売春婦の息子」という言葉は、英語では"son of a bitch"(サン・オヴ・ア・ビッチ)で、日本人には”サナバビッチ”と聞こえる。 これは、有名なリプトン教授の「アクターズ・ スタジオ・インタビュー」によれば、ハリウッド映画でもっとも多く使われている悪態言葉の1つである。他には、”フ★ック・ユー”などがある。(リプトン教授の40周年記念 )”あなたの好きな悪態は?”という質問の後に必ずこれらの悪態が出てくる。 どうやら、これらに加えてイタリアでは、「テロリスト」というごくふつうの悪態言葉があるらしい。これは、イスラム系諸国からの移民に対する悪態言葉らしい。日本では昔農村部出身者を”百姓”と言ってバカにしたというようなものだろう。東京都民が”埼玉県”と言ってバカにしたというのもこの手の悪態である。ただし、”悪態”というのは、(何かが原因で)怒った時に使うものであり、平常時に使うのは御法度である。 だから、もしマテラッティがイタリア語で2つの悪態言葉を続けて、 「サナバビッチ(売春婦の息子)」「テロリスト」 と矢継ぎ早に言ったとすれば、それがくっついて 「テロリストの売春婦の息子」 と聞こえたとしても何もおかしくはない。 いずれにしても、私が何度もその試合をビデオで見返したところでは、ジダンは自分のヘッドがブッフォンにセーブされ点が入らなかった頃から非常に苛立っていた。試合が延長になるにつれますますイライラがつのっていたのは確かである。ジダンはイライラしカッカしていたのである。そんな時に”イタリアのひょうきん族”のようなマテラッティから悪態言葉を受けてついに”切れた”というのが真相だろう。 私はマテラッティにはたいした罪はないと思う。アメリカ大会の時のオランダGKがアルゼンチンのオルテガの頭の上から”何か罵り”、それに怒ったオルテガが頭突き1発、GKは大袈裟に倒れ、オルテガは報復行為で退場したが、この時のキーパーのやったことの方がはるかに悪質だ。それと比べれば、マテラッティのはたいしたことはない。 やはり、”この母にしてこの子あり”なのだろう。ジダンのMVPははく奪すべきだろう。次点のカンナバーロがMVPに輝くべきだ。だいたいどこの世界に準優勝のチームからMVPを出すスポーツがあるというのだろうか。準優勝でもジダンならMVPだという偏見がこういったばかなことを生み出したのだ。最初から優勝国イタリアのカンナバーロにMVPを与えておけば何も問題にはならなかった。 今回の事件では、”FIFA体質”も問題とされるべきだろう。 それにしても、イギリス人は何の目的でジダンの母の言葉なんぞ出すのだろうか。不思議な国民である。
by Kazumoto_Iguchi
| 2006-07-14 09:33
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