ジダンvsマテラッティ問題は英仏代理戦争

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しばらく前に「”この母にしてこの子あり”?:ジダンの母吠える! 」の最後で私はこう書いていた。

『私はマテラッティにはたいした罪はないと思う。アメリカ大会の時のオランダGKがアルゼンチンのオルテガの頭の上から”何か罵り”、それに怒ったオルテガが頭突き1発、GKは大袈裟に倒れ、オルテガは報復行為で退場したが、この時のキーパーのやったことの方がはるかに悪質だ。それと比べれば、マテラッティのはたいしたことはない。

やはり、”この母にしてこの子あり”なのだろう。ジダンのMVPははく奪すべきだろう。次点のカンナバーロがMVPに輝くべきだ。だいたいどこの世界に準優勝のチームからMVPを出すスポーツがあるというのだろうか。準優勝でもジダンならMVPだという偏見がこういったばかなことを生み出したのだ。最初から優勝国イタリアのカンナバーロにMVPを与えておけば何も問題にはならなかった。

今回の事件では、”FIFA体質”も問題とされるべきだろう。

それにしても、イギリス人は何の目的でジダンの母の言葉なんぞ出すのだろうか。不思議な国民である。』

この最後の『イギリス人は何の目的でジダンの母の言葉なんぞ出すのだろうか。不思議な国民である。』の部分の意味が私にはやっと分かったので、まとめておこう。

ジダンとマテラッティの2人の処分は20日に決まったようだ。
ジダンは社会奉仕と罰金 頭突き事件でFIFA

これによれば、2人の処分は次のようなもの。

ジダン選手:
3試合の国際試合出場停止
罰金7500スイスフラン(約70万円)      
3日間の社会奉仕活動
W杯最優秀選手賞のはく奪なし
 
マテラッツィ:
2試合の出場停止
罰金5000スイスフラン(約50万円)

まあ、これから分かる事は、最初からジダンが決勝まで行けば、”功労賞”としてジダンのMVPが決まっていた、ということだろう。言い換えれば、”FIFA”に対するフランスの影響力が非常に強い、ということだ。

事実、歴代のFIFA会長を見れば、

初代:ROBERT GUERIN, France, 1904-1906
第2代:DANIEL BURLEY WOOLFALL, England, 1906-1918 
第3代:JULES RIMET, France, 1921-1954; Honorary President of FIFA nominated 21.6.1954
第4代:RODOLPHE WILLIAM SEELDRAYERS, Belgium, 1954-1955 
第5代:ARTHUR DREWRY, England, 1955-1961
第6代:SIR STANLEY ROUS, England, 1961-1974; Honorary President of FIFA nominated 11.6.1974 
第7代:JOAO HAVELANGE, Brazil, 1974 -1998; Honorary President of FIFA nominated 8.6.1998
第8代:JOSEPH S. BLATTER, Switzerland elected 8.6.1998

というように、たった8人しかいないFIFA会長のうち、初代と第3代目がフランス人。第2代目、第5代目、第6代目の3人がイギリス人。ブラジル人は第7目のアベランジェが初めて。他がベルギー人とスイス人のブラッターしかいない。

つまり、サッカーの母国のイギリスとフランスで交互にFIFA会長職を”奪い合ってきた”というわけだ。

そして、面白い事に、多くの場合にFIFA会長に母国の出身者がついている時代にその国のサッカーも優勝をしているという事実である。イングランドは、ルース卿時代に優勝。ブラジルもアベランジェ時代に幾度となく優勝。しかしフランスは例外中の例外であった。だからこそ、アベランジェの最後の年に優勝し、アベランジェに”引導”を渡した。そして、スイス人の現ブラッター時代に入った。したがって、フランスの影響力が強いのはまず確実である。ブラッター政権は、フランスの”傀儡(かいらい)政権”と言っても良いのだ。

どうやら、イギリス人はこれが”気に入らない”ということなのだろう。ベッカムのイングランドの最高のチームを送っても優勝できない。イングランド優勝は、再びイギリス人がFIFA会長にならない限り難しい。だから、ことある度に、FIFAにいちゃもんをつけてFIFA会長に揺さぶりをかけている。おそらくこんな事だろう。

それゆえ、以下のような記事を頻繁に書き、FIFAにプレッシャーをかけ続け、ブラッター会長を引きずり降ろしたいのである。

マルディーニらがFIFAを批判−マテラッツィも処分で
英紙がFIFA処分を批判「挑発はゲームの一部」

この観点からすれば、日本がワールドカップで優勝するためには、一番の早道あるいは近道は、川淵さんがFIFA会長になることだ。そうすれば、サッカーのあらゆることをアジア中心に行えるだろう。日本人が国連の常任理事国になることは難しいが、FIFAの要職につく事はまだ可能性がある。

川淵さんがFIFA会長になったらどうだろう。

中田英寿がジダンに頭突きをくらわしてもおそらく罰金処分で終わるだろう。
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by Kazumoto_Iguchi | 2006-07-23 14:17 | WC2006
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