準決勝と”ワールドカップサッカー”とは?

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ワールドカップもいよいよ準決勝に進んだ。結果は、

【準決勝】
ドイツ一イタリア
ポルトガル一フランス

となった。

2006/05/22の私の「”予想、予想、予想” 」では、

【準決勝(私の予想)】
ドイツ一イタリア
オランダ一ブラジル

と予想した。ポルトガルは、オランダに死闘の末に勝ち、フランスはブラジルに勝ってここに残ったので、私の予想はかなり”良い線を行っていた”ようだ。少なくとも、半分は予言適中したように見える。

その中で私はこう書いていた。

”ワールドカップの歴史では、ヨーロッパ開催はヨーロッパ勢が優勝、南米開催は南米が優勝。たった唯一の例外がスウェーデン大会でペレが鮮烈にデビューしたブラジルが優勝というものである。”

”サッカーというスポーツは圧倒的にホーム有利なのである。かつて最強と唱われた神様ジーコのチームですら予選敗退したのである。”

”だから今回の最強ブラジルですら優勝はかなり難しいのである。なぜならたった1つのレッドカードやPKで試合が決まってしまうということもあるからだ。PK戦で敗退という場面もあり得る。”

”審判がいくらフェアにやるといってもやはりヨーロッパ寄りになるだろう。”

”前回の日韓大会はアジア開催でアジア有利にしてくれたのである。2050年までにもう一度日本でワールドカップ開催でもない限り、Jリーグの川淵さんがいうような日本が優勝ということはあり得ないと私は感じる。”

”プロサッカーは相手チームと戦う以上に審判とも戦う必要があるのである。ほとんどの人(選手もファンも)はこれを忘れる。”

この短い部分で私が紹介した話が全部”事実”だということをサッカーのド素人の皆さんも十分に理解した事だろう。事実、ベッカムのイングランドはルーニーのレッドカード退場とともに敗退したのである。

サッカー、特にワールドカップサッカーというものは、一般の日本人が思っているような”柔な”ものではない。実に”人間臭く”、”血生臭い”ものなのだ。それゆえ、”戦争”にも例えられる。

かつてドゥンガは「セレソン」の中でワールドカップサッカーをこう評していた。

『もし俺とお前のどちらかが死ななくてはならないとしたら、お前が死んだ方が良いに決まっている。』

”ワールドカップサッカー”とはこういうものなのだ。

イングランドvsポルトガル、ポルトガルvsオランダ、ドイツvsアルゼンチン、アメリカvsガーナ、イタリアvsオーストラリア、韓国vsスイスなど、”死闘”と呼ぶに相応しい戦いは、まさにドゥンガの言葉を証明した。

残念ながら、日本のサッカーはまだこのレベルにまで行ってはいない。日本の男子サッカーは、むしろ女子サッカーに近い。あるいはフットサルに近い。

ワールドカップサッカーは、フィールドの上でボールを仲介したK1のようなものである。ドイツの選手は昔から陸上の10種競技の選手に例えられる(考えてほしい。日本のハンマー投げの室伏選手より大きな選手たちが走り回っているのだ)。これほどまでに激しいスポーツなのである。

そして、同時に戦術、マリーシアやエスプリがなくてはならない。頭脳も明晰でなくてはならないのだ。感情面でも成熟していなくてはならない。これが、サッカー選手が欧州や中南米など全世界で愛される理由なのだ。
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# by Kazumoto_Iguchi | 2006-07-03 17:48 | WC2006

”驕るブラジル久しからず”

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【準々決勝第4試合】
【フランス-ブラジル戦1-0】
雪辱期す両雄が王国を撃破 連係したジダンとアンリ
希代の点取り屋も「失望」 王国、寂しい内容で去る
試合結果

”驕るブラジル久しからず ただ夏の夜の夢のごとし”

というに相応しいものだった。

”1人の愚かな監督が試合を潰す”。ブラジルのパレイラ監督が、”理由は私には良く分からないが”、これまでの試合にない選手起用を行って、自ら自分のチームを”崩壊”させてしまった。

どうやらマスコミは”太ったロナウド”をパレイラ監督が使うことに固執したことが問題だと思ったようだが、私はこの試合に限って言えば、それはたいした問題ではなかったと思う。

一番の問題は、MFのロナウジーニョをFWにしてロナウドとツートップにしてしまったことである。これで、ボールを供給する側の選手がボールを受け取る立場になったために、一切のボールがロナウジーニョに入らず、ゲームの主導権をフランスに握られた。

ブラジルの”カルテット・マジコ”も作る事ができず、カカ、アドリアーノ、ロビーニョ、ロナウドなどはすべて中盤にロナウジーニョがいるからこそ、自由自在に動けるのに、この試合ではマークがカカに集中したためにまったくパスの供給ができなかった。そのために、中盤をフランスに支配されて、逆にジダンに自由自在に動かれてしまったのである。

そして悪い事というのは、バランスを失って集中が切れている時に起こるもので、ジダンのフリーキックの時、普段はロナウジーニョが中盤をコントロールしていたのだが、この試合ではロナウジーニョが最前線にいたためにいつもとマークがずれて大混乱してしまっていた。その間にいつもならロベルトカルロスが付かなくてはならないアンリにフリーでシュートされてしまったのである。

新しい、これまでに経験した事のない布陣で戦ったために、その”歪み”を立て直すにもすべてがバランス悪くなり、最後まで修正できずに敗退してしまったというのが、このゲームであった。すなわち、”ブラジルの自己崩壊”であった。


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これほどの強豪国がここまで”自己崩壊”するというのは見た事がない。が、しかし、いったいパレイラ監督に何があったのだろうか。一見”八百長”疑惑を感じるほどに不信感を募らせる布陣だった。いつも通りのロナウドとアンドリアーノのツートップの布陣で出発すれば、たぶん2-0でブラジルが勝てただろう。終盤だけロナウドをロビーニョと交代で良かったのではないかと私は思う。

ところで、”八百長”とは、例えばサッカーでは、このパレイラ監督がこっそりこの試合のトトカルチョを買っていて、自分のチームが負ければ自分に多額の金が入る、というような取り引きのことである。日銀の福井総裁がやっていたことがこれにあたる。ファンドの株をこっそり持っていてファンドの株価が上がるように日銀の政策を組めるからである。実はアメリカ政府にもそんなことをやっているものが後を断たないという。

私はこの試合を見る限りフランスがそれほど強いようには見えなかった。しかし、試合を落とさないようにそつなく戦っていたと思う。中でも、守備的MFのマケレレ、守備のビエラ、チュラムなどの黒人プレーヤーは非常に”献身的”で”忠実”なプレーをしていたと思う。実に素晴らしい選手達である。

ポルトガルのGKリカルドの場合もそうだが、自分にチャンスをくれた監督に報いようという自己犠牲の精神が勝利を導いたのだろう。本来なら1998年フランス大会や2002年日韓大会と全く違った布陣で戦うはずだが、日韓大会のふがいなさを払拭するチャンスをくれたのだから、それに報いようとするのは自然なことである。

それと比べれば、ブラジルのパレイラ監督には、ロナウドにこだわる何か異様な”驕り(おごり)”のようなものを感じた。たぶん、ブラジルのマスコミから得点力不足のロナウド起用に関して執拗な批判が出たために、この異様なこだわりをカモフラージュする目的でロナウジーニョをトップに持っていったのだろう。が、これでは勝てない。平常心を失ったものが勝てるほどワールドカップは甘くはない。おそらく、この試合はブラジル人の間で多くの議論を呼ぶことだろう。

 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす
 驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し
 猛き人もついに滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ

という平家の”うすら笑い”に似たものをパレイラ監督の顔に私は見た。
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# by Kazumoto_Iguchi | 2006-07-02 14:17 | WC2006

”愚か者”は去れ!:ポルトガル、激戦を制す!

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【準々決勝第3試合】
【ポルトガル-イングランド戦0-0(PK3-1)】
またもPKストップ連発 ポルトガルのGKリカルド
1人の愚か者が試合壊す イングランド、8年前再現
試合結果

前評判があまり高くなくそれほどでもないと思われたチームが薄氷の勝利を重ね徐々に力と自信を付けて最後に優勝する。こんな

”優勝の方程式”

というものがあるとすれば、”優勝請負人”と言われるポルトガル監督のフェリペ・スコラリ監督の采配だろう。

優勝候補のイングランドと死闘を演じて最後にPK戦で、それも次世代のポルトガルの司令塔となるべき若き天才クリスチャン・ロナウドが決めて勝つ。将来への教訓や経験も積みつつかつ勝利していくという姿は圧巻であった。

これもすべてがフェリペ・スコラリ監督の”達観”によるというのだから本当に驚く。

このPK戦で大活躍したゴールキーパーのリカルドは、3年前にフェリペ・スコラリ監督が就任した当時は、「ミスが多く安定感に欠け、サブに回るような選手」であった。それを、「チャンスを与えれば、必ず花を咲かせる」とフェリペ・スコラリ監督は一切耳を貸さなかったという。 それから3年、フェリペ・スコラリ監督の蒔いた種がここで花開いたというわけだ。


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一方、イングランドは、”悪童”ルーニーの指南役、ジェダイの戦士のベッカムをベンチに下げた段階で私はイングランドが負けたと思った。案の定、ルーニーは抑えが効かなくなり一発レッドカードで退場。昔のベッカムの教えが生きなかった。イングランドの新聞は、「1人の愚か者が試合壊す」と言っているが、その切っ掛けを作ったのは他ならぬエリクソン監督であった。

このベッカム交代劇は、アルゼンチンのリケルメ交代劇に匹敵する”愚かな作戦”だったと私は思う。(この後のブラジルのパレイラ監督も同じような”愚かな”ミスを犯した。もちろん、ジーコもだ。)

”愚かなフィールドプレーヤー”は監督が一言で交代させられる。しかし、”愚かな監督”は大会を去るまで替えることができない。ここにワールドカップの面白さがある。

ワールドカップは、時に戦争のようなものと例えられる。愚かな指揮官を持った国、そんな国は戦争でも負けたのだ。日本、ドイツ、イタリアなど第二次世界大戦では、そういう”愚か者”がリーダーについたことで負けたのである。

現在の政治でも何でもそうで、一国が困窮していく時、あるいは、一国に何らかの負けが絡んでいる時というのは、”愚か者が指揮官になっている”時なのである。

こんなことを考えさせられるゲームであった。
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# by Kazumoto_Iguchi | 2006-07-02 12:02 | WC2006

ペケルマン監督の潔さ

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ドイツ戦後にペケルマン監督「敗戦で辞める時が来た」

アルゼンチンのペケルマン監督は、さすがに名将。”潔い”。

ドイツ戦で自分の失敗を認め、

「この敗戦で辞める時が来た。続けることはない」

と言って辞任した。そして、

「できることはすべてやったが、他のコーチたち、ファン、選手に申し訳ない。このチームはもっと先に進める力があったのに、それができなかった」

と言って潔く謝罪した。これが名将の引き際であろう。

この意味でも、ジーコは二流の人物であった。一流の人物、一級の人物を日本代表の監督にしないと、次のワールドカップは出場すら難しいだろう。
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# by Kazumoto_Iguchi | 2006-07-01 23:44 | WC2006

イタリアの”眠れる獅子”トーニついに目覚める!

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【準々決勝第2試合】
【イタリア-ウクライナ戦3-0】
イタリア活性 ようやくお目覚めトニ2発
ウクライナ夢散 シェフチェンコ疲弊
試合結果

いやー、この試合はお互いの持ち味の出た良いゲームだった。


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強いて言えば、”ウクライナにはツキがなかった”。何度かのシュートチャンスにボールが枠を叩いた。あるいはディフェンダーに阻まれた。これが決まっていれば、おそらくもっと好ゲームになっただろう。

「ウクライナにはピルロのような選手がいない。選手の質の差が出た」

とシェフチェンコは言う。確かにその通りで、MFのピルロ、特にMFのガットゥーゾのような”汗かき役”をこなし、味方のピンチを救い、攻撃もするというタイプがいるのといないのとでは大違いである。

この試合でついに実力を発揮したイタリアのトーニは、こう言った。

「次のドイツ戦が大変な試合になる」

お互いに試合巧者どうし、しかも監督もお互いに強気どうし、際立って”激しい死闘”が繰り広げられるかも知れない。

審判が今日のドイツ戦のようにドイツの味方(サポーター)であれば、ドイツが勝ち、フェアであればイタリアが勝つだろうと私は見ているが、果たしてどうなることか。

いずれにせよ、ドイツは”ナチス・サッカー”でなりふり構わずの”汚いプレー”で来るはずなので、イタリアは怪我人続出する可能性は高い。仮に勝ったとしても決勝では不利になるだろう。
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# by Kazumoto_Iguchi | 2006-07-01 17:01 | WC2006

ドイツ、クローゼの”真空飛びひざ蹴り”で勝つ!

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【準々決勝第1試合】
【ドイツ-アルゼンチン戦1-1(0-0、1-1;0-0、0-0;PK4-2】
クローゼ決めた同点弾 ドイツ雪辱の空中戦
アルゼンチン誤算 交代枠ゼロ、逃げ切り策暗転
試合結果

かつての日本のキックボクサー沢村忠並みのクローゼの”真空飛び膝蹴り”炸裂

これがこの試合を”決めた”。


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今回もクリンスマン監督の”ナチス・サッカー”健在だった。ドイツのサッカーは、これまでと同様に、足を削るは、後ろから突き飛ばすは、何でもありのサッカーだった。なりふり構わず勝利にこだわる”ナチス・サッカー”だった。

そして、ついにクローゼの”真空飛び膝蹴り”炸裂で、アルゼンチンゴールキーパーが負傷退場。おそらく肋骨の1、2本は折れただろう。これが巡り巡って最後のPK戦に響いた。替わったキーパーはすべて予測が反対でどう見てもド素人だった。

しかし、これはファールにもならなかった。この主審はいつもドイツのサポーターであった。なんでこんな奴を主審にするのか。日本人の上川主審の方がはるかにフェアであるが、フェアでは困るから(つまり、ドイツの計算通り、シナリオ通りに主審が動かないから)補欠主審に回されてしまったのだろう。

今回、試合前に”人種差別にノー”という宣言を初めて行った。いったい試合前の”宣言”はどこへいったのか。また何のために”宣言”をやったのか。相手にフェアネスを求めさせ、自国はアンフェアで行くということだったのか。大いに疑問の残る”汚い”試合だった。

いやー、アルゼンチンは強かった。そしてうまかった。今回屈指のドイツ相手に大人と子供というほどにボール支配を行った。6割方アルゼンチンがゲームを支配していた。そして先制点を生んだ。もし、後半28分にロドリゲスが2点目を冷静の取っていれば、アルゼンチンが3一0で圧勝しただろう。若いロドリゲスにはそこまで考える熟練度がなかった。あそこは決めなくてはホームチームには勝てない。その直後に失点した。


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それにしても、最後にアルゼンチンのペケルマン監督は、かつてのハンス・オフト監督や加茂監督と同じことをしてしまった。絶好調の選手を替えて守備固めに緊張している選手を送り込んだのである。いくら何でも、後半27分のリケルメからカンビアッソへ、後半34分クレスポからクルスへの交代はないだろう。結局、PKをはずしたのは、この”禿げ”のカンビアッソだった。

PK戦というのは、圧倒的に追い付いた方が精神的に優位なのである。負けると思った試合で相手に追い付きPKに漕ぎ着けたのだから、今度こそ絶対勝てる、自分達はついていると思うからである。逆に、追い付かれた方は、まずいと思ってPK戦では集中が切れるのである。昨年の日本の高校サッカー選手権でも、滋賀の野洲高校が大阪朝鮮に終盤追い付いてPK戦になり、追い付いた野洲高校が勝った。これと全く同じ事がこの試合でも起こったのである。

いずれにしても、9割がた勝てた試合をペケルマン監督の”弱きの虫”のために落としたというのがアルゼンチンだった。ペケルマンは、マケルマンに名前替えした方が良いかも知れない。それほどまでに、ひどい交代劇だった。

いずれにせよ、再び”後味の悪い”試合だった。ドイツが決勝まで行くように”話が出来ている”ようである。
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# by Kazumoto_Iguchi | 2006-07-01 16:01 | WC2006

ウォーミングアップを見よう!

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いよいよ今夜から準々決勝が始まる。

今回のNHKなどのテレビ番組では、アメリカの放送局とは異なり、試合直前のウォーミングアップシーンが映ることがある。ほんのわずかの時間だが、試合前の直前情報として、今選手達はこんなことをやっています、というような感じでウォーミングアップ中の各国の選手の状況が見られる。

もしテレビでこれを目にできるのであれば、ぜひこの”ウォーミングアップ”シーンを見て、どの国はどんなことをしてウォーミングアップしているかを覚えてほしい。

今回、私は日本代表のアップシーンを見て、非常に驚いた。というのは、日本代表のウォーミングアップは全員がフィールドに散らばって”各人各様”にてんでばらばらに行っていたからだ。

ずっと以前(1年以上前)に、私は「”第31回西日本高校サッカーフェスティバル” 」にこう書いていた。

『(い)もう一つは、これはサッカーの大会をその場で見ない限り絶対に得られないものである。だから、私は本当のサッカーを知りたいのであれば、会場へ出向き、試合前のウォーミングアップ(簡単に”アップ”という)から見ることを勧める。』

『サッカーのうまいチームや強いチームは、やはりアップの時から実にユニークな練習を行う。一方、弱いチームは統率が取れず、試合前に何をやっていいのかも分からない。時にジャージーやユニフォームもバラバラとなる。そしてこれが試合にもろに出る、のである。実際、これほど見事なまでに結果に反映するものはないと私は考えている。

だから、サッカーを本当に知るものは、試合前の相手チームの動きに特に神経を尖らせるのである。おそらくこんなことは素人のあなた方は知る由もない。しかし、これが監督やコーチの”目”であり、”見方”なのである。』

『だから、私は自分のチームの選手に良くこう言うのである。
”サッカーの試合はすでに試合前のアップから始まっている。”』

『こういう私の観点から今回参加したいくつかのチームを観察すると、やはりそこに各チームの”個性”が見事なまでに出ているのである。”声のかけ方”、”号令の仕方”、”コーチや監督に対する態度”、”チームの隊列の取り方”、”パス練習のメニュー”、”アップに要する時間”、”集合と声がかかって集まるまでの時間”、”ストレッチの方法”などなど、すべてにおいてチームによって違っているのである。

もちろん、これと同じことはワールドカップに出る国ごとにも言えるのである。ブラジル式、イギリス式、フランス式、ドイツ式、アルゼンチン式など、各国ごとにアップの仕方が異なる。

これぞサッカーの醍醐味であり、臨場感であるといえるだろう。これこそサッカーの本当の面白さである。いや、ほんとサッカーは奥の深いスポーツだネ。』


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このように、サッカーチームのアップ法は各チームによって異なる。しかし、強豪チームほどこのアップシーンが、スピーディーで隊列が取れて”かっこ良い”のである。

私は試合前のドイツ、イタリア、アルゼンチンなどことある度に注意して見ていたが、私が上に書いた事は全くの事実であった。ドイツ、イタリア、アルゼンチンなどの強豪国のアップ法は非常に素晴らしく、一瞬の無駄もなく行われていた。

ところが、日本代表は、日本語で言う”三々五々”、仲の良い2、3人適当に集まって適当にアップしていたのである。私はこれはいったいどうなっているのか、と本当に驚いたのだ。これこそ、”弱小チーム特有のスタイル”だからである。

一般に”弱小チーム”というのは、監督と選手の間に溝が合ったり、お互いに不信感があったり、選手間に意思疎通が希薄であったりする。その結果として、アップも勝手気ままで、メニューも時間も何もかもがバラバラになるというが普通なのである。監督の指揮はまったく効かず、仲の良い仲間どうしで適当にやるのである。

私が指導する前の阿南高専サッカー部がそうで、試合前のいつ集まるかということすら徹底されていなかったために、中には試合5分前になってやっと会場に来る者までいた。それを試合1時間前に集合、それから50分かけて徐々にアップからパス回し練習まで行って試合10分前にはいつでも試合ができるようにするという方法に変えたのである。こういうことができるようになると、不思議と試合でも好成績を残せるようになったのである。

この観点からすれば、ジーコジャパンは”論外”であった。ド素人レベルのアップ法だったからである。これではゲームに勝てるはずがない。なぜなら、各人各様にアップしているのだから、ある選手は身体が暖まっていつでもOKの状態にあったとしても、別の選手はまだ中途半端な暖まり方で試合最初に非常に動きが悪いという事になるからだ。こんなことまでジーコは”手を抜いていた”のである。これで強豪国に勝てるはずがない。

私の心配どうりにジーコジャパンは敗退した。当然の結果である。サッカーでは、”心掛けの悪いチームは敗退する”からだ。この意味でも、ジーコはド素人だった。

ぜひアップシーンを見てほしい。
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# by Kazumoto_Iguchi | 2006-06-30 21:21 | WC2006

ベスト8決定!

準々決勝まで2日の中日がある。

1ヶ月前の5月22日に私は、「”予想、予想、予想” 」(あるいは、予言適中? )で、全試合の勝者を予想した。予想というものは、当る八卦、当らぬも八卦。あまり当てにはならないものである。

しかし、アジア勢全敗退。ヨーロッパ強豪が生き残るというのは、ほぼ当ったようである。1次リーグで、1位2位の順序が入れ代わったところがあるので、私のベスト8予想と準々決勝予想は、

【準々決勝(私の予想)】
(A)ドイツ一アルゼンチン
(B)イタリア一フランス
(C)イングランド一オランダ
(D)ブラジル一スペイン

であったが、実際にはこうなった。

【準々決勝(実際)】
(A)ドイツ一アルゼンチン
(B)イタリア一ウクライナ
(C)イングランド一ポルトガル
(D)ブラジル一フランス

まあ、ウクライナ、ポルトガルとフランスの部分が違っていただけなので、大筋では当ったと言って良いだろう。

これを見て分かる事は、どの国も”自分のサッカー”というものを確立して持っている国であるということだ。いわゆる”自分達のサッカー”というものを作り上げているということである。

その点、アジア、アフリカの国々は、まだこの粋に達していない。それゆえ、”自分達のサッカー”が出来ずに敗退してしまった、ということとなる。

日本も結局この例にもれず、自国のサッカーができずに敗退したのだ。”金の亡者”で偽物監督ジーコの”つけ刃のサッカー”、”にわか仕込みのサッカー”はすぐに化けの皮が剥がされたのである(もう二度と日本へ来るな、ジーコ! )。

この点、自分のサッカースクールを経営しているような”サッカービジネスマン”は代表監督には向いていなかったのだが、それに気付かなかったサッカー協会に責任がある。日本という弱小国のサッカー監督となれば、自分のビジネスの良い”広告塔”になれるとジーコは”計算”したのだろう。が、ジーコには”広告塔”ではなく、”司令塔”になってもらいたかった。

いかにして自国民に合った”自前のサッカー”を構築するか。

これがこれからの焦点となるが、これはどこかで踏ん切りをつけて判断を下さないといけないことである。

韓国はオランダサッカーを目指すというが、日本はアルゼンチンサッカーを目指すのか、ドイツサッカーをめざすのか、あるいはブラジルサッカーを目指すのか、そういう目標が必要である。あるいは、フランスのように、サッカー移民を受け付けて”フランス傭兵部隊”のように、世界中の難民や貧民の子供を無償でサッカーエリートに育て上げ、移民の子の英雄ジダンのような”魔法の杖”を奏でるサッカーを目指すのか、どこかで日本サッカー界は男らしく決断しなくてはならないのだ。

アレックスのようなブラジル人や諸外国の優秀選手も日本人に帰化させて”外国人傭兵部隊”を作っていくのか、あるいは、世界に伍して戦えるワールドクラスの日本人を育てあげるのか、どちらが良いのだろうか。

実に難しい選択だが、こういったことを本気で考えなくてはならない時期に今の日本サッカーは差し掛かっていると私は思う。
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# by Kazumoto_Iguchi | 2006-06-29 10:59 | WC2006

決勝T第1回戦第8試合:フランス、スペインを一蹴!

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【決勝トーナメント1回戦第8試合】
【H1位スペイン-G2位フランス戦1-3】
フランスMFビエラ、絶妙スルー
アラゴネス監督の「不敗神話」、26戦目で崩れる
試合結果

スペイン、フランスに”名前負け”

というのが、この試合のすべてだろう。実力的には、ほぼ互角かそれ以上に今回のスペインは強かった。しかし、このフランスには、前々回の覇者となった時のジダン、アンリ、マケレレ、チュラム、ヴィエラなどの蒼々たるメンバーがいて、若いスペインはかなり浮き足立った観ありである。


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イングランドやフランスのような熟練チームは、やはりセットプレーで一発逆転を狙う。逆転ゴールのフリーキックは不用意だった。フランスの同点ゴールは、ブラジル同様にオフサイドトラップをかいくぐるスルーパスで決まった。最後のジダンの3点目は、中盤でジダン自らボールを奪い取って左サイドに回り、そこから中央へ切り込んでのシュートというプレーで、ジダンのもっともジダン的な実に美しいプレーだった。これでスペインに止めを刺した。新たなるジダンの”伝説”が生まれた。

ドイツ大会前にフランス人のベンゲル監督が、

”私はフランス人だからフランスがサプライズを起こすのではないかと思っている”

と言っていたが、絶不調の1次リーグをしのぎ、ここに来て、伝説再びという勢いがフランスに出て来たようだ。厚い中盤とジダンの輝きがほとばしり出たナイスゲームであった。

今回は、ヨーロッパ大会なので、ホームのヨーロッパチームがやはり際立って元気である。驚異的なサポーターの応援がそうさせるのだろう。

コンチネンタルサッカーのドイツ。サンバサッカーの王国ブラジル、カテナチオのイタリア、紳士プレーのイングランド、ダイレクトパス回しのサーカスサッカーのアルゼンチンと、強豪国が持ち前のサッカースタイルを変幻自在にあやつって披露しているのが実にうれしい。

いつの日か、日本にも”日本サッカー”なる自前のサッカースタイルが生まれる日が来るのだろうか。そんなことを考えさせられるゲームであった。
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# by Kazumoto_Iguchi | 2006-06-28 16:13 | WC2006

決勝T第1回戦第7試合:ブラジル、ガーナを一蹴!

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【決勝トーナメント1回戦第7試合】
【F1位ブラジル-E2位ガーナ戦3-0】
偉業達成に人懐こい笑み ロナウド、29歳の円熟期
王者に真っ向勝負で散る 初出場で16強のガーナ
試合結果

”現世界王者”vs”若手世界王者”の戦い。

これが、サッカー王国ブラジルとサッカー新興国ガーナのゲームであった。”持ち前のスピード”と”驚異的な身体能力”が持ち味のガーナが、世界ランク1位のブラジルにどこまで通じるかが試合の見どころだった。

結果は、ブラジルの3-0の勝利で、”若い”ガーナを一蹴したのだったが、ガーナの決定的チャンスが幸運に恵まれていれば、2点は入ったかも知れない。

一方、ブラジルのロナウドは、通算15ゴールとなってボンバー(爆撃機)と言われた西ドイツのゲルト・ミュラーの通算14ゴールを初めて抜いた。ペレ、マラドーナなどと並ぶ偉大な選手となった。

ブラジルは、ブラジル独特のスローなリズムでボールを支配して相手のスピードを消し、逆に正確なパスで裏を取って得点をするという攻撃で来たようだ。どのチームもこの戦法の餌食となってしまう。ここが、キーパーやディフェンダーから一気にトップへボールを送るイタリアとは違う、ブラジル独特のところである。ガーナもこれでやられてしまった。

ガーナは、やはりパスしてはトラップ、トラップしてはパスという、ワンクッションおいたパス回しのために、こうした単純な攻撃ではすべてブラジルの選手に読まれてしまう。ここを、メキシコやアルゼンチンのように、早いダイレクトパス交換で崩すという方法に変えないと、強豪国には勝てないだろう。

ところで、この試合の影の功労者は、トップのアドリアーノであった。カカからロナウドへの絶妙なパスをアドリアーノをマークしていたディフェンダーがロナウドにチェックに行けないように完璧にスクリーンしていた。これは、バスケットボールで良く使う方法だが、この”スクリーンプレー”という基本プレーでしっかりロナウドを横でサポートしていたのである。このおかげで、ロナウドはするするとディフェンダーの間を抜けてフリーでキーパーと1対1になれたのである。

この試合の影の功労者のもう1人は、線審だろう。2点目のアドリアーノの得点は明らかにオフサイドであったが、あまりにパスワークとスピーディーな攻撃だったので、線審がフォローできなかったようだ。3点目もオフサイドぎりぎりのプレーだった。

ブラジルは伝統的に早いパス回しでボール支配率で相手を上回って勝つというチームである。ガーナはボール支配率でそのブラジルを上回っていたのだからすごい。末恐ろしいチームである。もしガーナが、ダイレクトパスや横からのセンタリングや速攻などの戦術を覚え、ドイツのようなコンチネンタルサッカーに目覚めたのなら、次回のアフリカ大会ではガーナは優勝候補筆頭に来るチームと言えるだろう。この他にも、カメルーン、ナイジェリアなどもあるので、次回はアフリカチームはとてつもない脅威となるだろう。
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# by Kazumoto_Iguchi | 2006-06-28 15:34 | WC2006